大阪に行ったら、地元でだけ手に入るお菓子を食べてみたい。
百貨店のサイトを見ると、私には馴染みのないお店がいくつも並んでいました。
そのなかで気になったのが「太陽ノ塔 洋菓子店」。
この色合い、たまらないね。お菓子の缶もしびれるね。
阪神百貨店の店舗で、目当てはスペインのお菓子ポルボロン。
このお菓子、食べた子供の頃は「光塩のシスターのお菓子」と呼んでいました。
小学校の同級生のお誕生会やバレエの発表会に呼ばれていくと、
「今日は来てくれてありがとう」
エキゾチックな巾着袋に包んだ箱入りのお菓子を手渡してくれるのは、光塩女子学院幼稚園出身の子たち。カトリック系のその幼稚園では、関係者だけがスペイン人のシスターのレシピで作るこのお菓子を買うことができると聞いて、不思議な、奇妙な感じを受けたのを覚えています。
私は別の一般的な幼稚園に通っていて、小学校はそこから一緒に上がった同級生が多かった。光塩からくる子は数えるほどで、なんとなく雰囲気が違っていると感じました。
異国情緒、教会とシスター、お菓子を手に入れる権利。小さなころから信心する宗教を持つ人が同じ年齢で同じ教室にいること、見知らぬ世界があること、私が人生で初めて接した空気の入り口が、このポルボロンです。
大阪にだけお店のある、太陽ノ塔 洋菓子店のポルボロン。
オンラインショップでも買えるけれど、実店舗で実物が眼の前に広がるときめきは現地ならではの楽しみね。
お店でショウウインドウの華やかさに止まりそうな息を静かに整え、店員の方が目の前で包んでくれる楽しみが、缶を開くまで続いているようです。
ショーウインドウの上に並んでいて、「あらー可愛い茶トラのネコちゃん」と即決買いしたコーヒー。
よく見たら、OMEDE TIGERって。
阪神百貨店で、ネコチャンなわけあるかいってな。優勝おめでとうございます。
東京の、中野や杉並のあたりを自転車で走り回っていた子供の頃には知らなかった、このお菓子の本当の名前。日本に帰って来てから、あの頃の無造作に口にしていたお菓子の由来や本当の名前を知る機会が時々やってきます。子供の頃に美味しいと思ったもの、珍しいと感じたものを、いつまでも覚えているせいかもしれません。
太陽ノ塔 公式サイト
太陽ノ塔 洋菓子店 https://taiyounotou.com/patisserie/
太陽ノ塔 オンラインショップ https://shop.taiyounotou.com/
30年ぶりの日本暮らしは、まだ色々と物珍しい。
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