スポンサーリンク

香港発台北行き 猫の搭乗券と空港での流れ|猫の検疫

香港→台湾検疫

香港から台湾へ、猫の搭乗券が出てきた

6年前に香港から台湾へ来た時、私の別送段ボールは5箱でした。
男らしすぎるだろう!と驚かれましたが、香港での最後の一年は黙々と、今でいう断捨離を行っていたので、比較的身軽だったのです。
しかし6年たって、台北のアパートの部屋がなんだか騒がしい。物が着々と増え続け、ちょっと気持ち悪くなったので、2年使わなかったものは手放すことを目安に片づけをしていたら、猫の検疫の記録が出てきました。

香港から台湾への検疫の流れについて、まとめておきます。

 

猫、初めての飛行機。貨物扱いだからチケットは名無し。

 搭乗券は使い終わればすぐシュレッダーにかけて破棄してしまうのだけれど、これは残っていました。猫のゲージに貼るステッカーの残りと、預入荷物のチケット。HKD460。貨物扱いです。香港の動物病院や検疫で記入した「小福」と広東語読みの「SIU FUK」の記載はありません。

台湾に来ると、猫の名前は「小福」「FUKU」に変わりました。
マイクロチップの番号で個体を識別するのと、飼い主の特定が重要で、猫本体の名前には、あまり大きな意味はないようです。

香港国際空港のキャセイパシフィックカウンターで搭乗手続きをした時、担当の男性が
「おとなしい猫ですね。いい子だね」
と声をかけてくれて、
「いえ、これは違うんです・・・」
としどろもどろになってしまいました。

ゲージに入れられる、家の外に連れ出されるのが大嫌いなビビり猫。いつも道中から到着地でも凶暴に吠えまくる(鳴くというレベルではない)のに、空港に着いた瞬間、ぴたっと押し黙ったことに、私は不安になってしまいました。

それまでは旅に出ることに浮かれて気にも留めなかった、空港を行きかう何千という人たちの声や気配、飛行機の離発着音。でも、家猫にとっては未知との遭遇に違いない。怖かったんだろうと思います。あるいは、(俺様、どうなる)と極限状態だったのかも。

これから飛行機に乗せなければならないこと、台北に着いたら3週間の検疫があることを思うと私も極限に近くなっていて、ちょっとしたことでメソメソしてしまっていると、

「搭乗までまだ時間があるし、どこか人の少ないところに連れて行って遊んでいても大丈夫ですよ。ゲージからは出さないでね」

と係の人は優しい気遣いをしてくれました。
後になって、その人の名前を覚えてお客様相談室にお礼のメールをすればよかったと悔やんだけれど、その時は全く余裕なし。ただただ、その場でお礼を言うことしかできませんでした。だから今ここでもう一度書いておこう。

キャセイパシフィック最高!

ヒトより時間と手間のかかる動物の移住

台湾へ行こうと決意して、まず調べたのは猫をどうやって連れて行くか。2010年当時の台湾はまだ清浄地域*、狂犬病の発生していない地域指定だったので、非清浄地域の香港からの動物の持ち込みには、厳しい検疫がありました。

まだ台湾で暮らせるあてもなかったのけれど、後で慌てないようにと猫の検疫準備を始めておき、自分の移住も具体化を進め、ようやく飛行機に乗せて桃園空港までたどり着くまで、2年近くかかっていました。

自分の移動、ビザ取得は二か月程度で手続きが済んだし、注射だ検査だ隔離だなんてこともありません。でも、猫は香港から台湾へ入国許可が出るまでの準備だけで、1年ちかくを要しています。いつ台湾へ行くか計画を立てて、そこから逆算して最短でもいつから始めなければならないかは、念入りに下調べしました。

香港でお世話になった動物病院

検疫に必要な書類の山、メールの嵐。
発着地が日本なら、資料も沢山ありました。でも、香港から台湾の情報はほとんど見当たらず、香港の病院でも「うちでは前例がないから手伝えない」と断られたことも。書類だけならまだ自分で頑張れたとしても、血液検査や予防注射のスケジュールは病院に頼るしかありません。ようやく、旺角の病院のコーディネーターの方と出会えて
「うちも台湾行きは経験がないけれど、やってみましょう」
と引き受けてもらえました。血液検査、間隔を置いて予防接種、航空会社が求めるゲージのサイズを調べて取り寄せ、獰猛な猫と思い詰めた顔の私をいつも笑顔で見守って的確に無駄なく手配をしてくれた担当のPinkieさん、すごくいい人だったなあ。

香港・九龍旺角にある動物病院
太平道寵物診所
http://peaceavevet.com.hk/

 

香港から台北、空港の流れ

飛行機の轟音に怯えてぴたりとだんまりになった猫は、荷物としてどんなふうに飛行機に乗せられたかまでは見ることが出来ませんでした。二時間弱のフライト中も気が気ではなかった。貨物室は寒くないか。暑くないか。大きなエンジン音が響く暗闇なんだろうか。荷物の出し入れの係の人は、ちゃんと扱ってくれるだろうか。機嫌が悪かったり、動物が嫌いで足蹴にされやしないか・・・

台北・桃園国際空港に着いてからも、生きて出てくるのか、一体どの扉から来るのか、まさかターンテーブル回ってこないよね、とあちこちうろうろして、見覚えのあるゲージを乗せた台車がやってくるのを見つけた瞬間、涙振り飛ばして猛ダッシュ。

台車を押してきた係の方に
「あう、這個、うう、我的猫」
と必死に所有権を訴えて引き渡し手続き開始。はあ生きている。良かった良かった。生きてはいるけれど、初めての空港、初めての飛行機体験が余程恐ろしくショックだったのか、ゲージの中でうんともすんとも言わない猫。でも、目は爛々としている。怒りは頂点、怒髪天というところかな・・・この後どうなるかな・・・。

台湾の空港で待ち受けていた検疫官に、「名前は?」と聞かれ、不自由な中国語で、広東語ではSIU FUKの発音だった小福をxiǎo fúと直して答えても、うまく通じませんでした。カタカナで書いたら「フー」だけど、空港で車を用意して待っていてくれた友達にも
「福(fú)じゃなくて、虎(hǔ)の発音になってた」
と笑われ、それから今でも、彼女だけはうちの猫を「トラ」と呼びます。
香港でも「リトルタイガー」と獣医さんに恐れられたので、そういう運命なのでしょう。

検疫官は日本語が少しできるようで、私が記入した用紙を見て
「ふく。フクチャン?」
と本当の名前で呼んでくれました。

なんとかたどり着いた、やっと上陸できた。台湾で、本当の名前で呼んでもらった時には長い長い緊張がかなり解れました。

検疫隔離は台湾大学動物病院で21日間。

ここからもサバイバル。21日間の隔離検疫があります。
香港の動物病院で去勢や結石の手術を受けるたびに、翌朝には電話が来て

「猫、引き取りにきてね。物凄く怒っていて、他の猫たちが怯えているから」
「入院しなくていいんですか」
「入院させておけると思うか見に来れば?」
「見なくてもわかります。すぐ行きます」

迎えに行けば、病院中に響き渡る唸り声。入院用のゲージに近づくと、額が縞々に傷ついて血がにじんでいるうちの猫。鉄の棒をはめ込まれたドアに何度も頭突きをしたようです。私を見て普通に「ニャー」と鳴くけれど、ニャーじゃねえよ。そんなに檻の中が嫌なのか。

頭突きをするほど閉じ込められることを嫌う猫が、21日間も隔離できるわけがないですよね。台湾は情に訴えて泣き落としが通じることもあると漏れ聞いたし、ここはひとつ、自宅観察を訴えてみよう。皆様にご迷惑がかかりますし・・・

ところが台湾大学動物病院の担当スタッフの方は

「大丈夫です!もっと凶悪な猫を今まで沢山見てきましたから、安心してください!」

眩しい笑顔できっぱりと言い切り

「フクチャーン」

と日本語の、いつも私が呼んでいる呼び方で優しく声掛けしてくれたのに

「シャー」

取りあえず、移動のショックからは脱して、不機嫌モードにシフトチェンジしました。

長い道のりでした。それからの21日間も、本当に長かった。

福ちゃん 見返りおやじ

ニャーじゃねえんだよ、おっさん。

※2010年の検疫のことです。今は残念ながら台湾も非清浄地域になってしまったので、手続きは変わっているかもしれません。最新情報を確認して、準備をしましょう。

検疫関係メモ

農水省 動物検疫所
ペットの輸出入
http://www.maff.go.jp/aqs/animal/index.html

台北駐日経済文化代表処

 

台湾・台北在住のライター&ロケーションコーディネーター。香港から猫を連れて移住してきました。活動範囲は台湾、香港、時々ベトナムなど。広東語、中国語を使います。プロフィール詳細 はこちらをご覧ください。仕事のご依頼やお問い合わせはコンタクトフォームからお願いします。