台北生活の日記

台北の市場の活気と人にもまれて元気になる。

野菜や果物、揚げ物、搾りたてのレモンジュースや豆花、饂飩を包む屋台が並ぶ青空市場へ、日曜日に出かける。車両通行は禁止で、ボランティアの交通整理の人が立っている。人ごみに、商品の新鮮さや安さをアピールする台湾語が飛び交う。車両は禁止だけど入ってくるバイクや日傘を避けながら、ゆっくり歩いて左右を見渡す。
市場は人が多ければ多いほど、活気がみなぎっていていい。歩いて品定めをして買い物をしていくうちに、ちょっとしぼみかけた自分の内部に熱を取り戻していくみたい。

出かける時、アパートの管理人さんは
「おはよう。出かけるの?傘を持った?」
と声をかけてくれた。
「おはよう。持ってないけど、すぐ帰ってきます」
そう返事をして出かけた。
家の周りでは、マスクをしている人は少ない。建物や商店に入る時だけつけている雰囲気。私も市場の入り口近くに来てから、エコバッグに入れておいたマスクをつけた。

身体を動かすように気を付けているつもりなのに、ボトムの腰回りがきつい。糖度の高いマンゴーをあきらめて、りんごを選んで袋に入れて買う。プチトマトのパックが段ボールから屋台に移される周りに、どんどん人が吸い寄せられていく。2箱で50元の札がついているので私もふらふら近づくと
「2箱な?!」
お店のおじさんに有無を言わさず断定され
「はい」
と50元差し出した。

これは春先の市場。ヘルメットはバイクの人たち。

 

春以降は日傘も増えるので、刺さらないよう注意。

 

 

台北でのロケ中、「カットフルーツが欲しい」とリクエストされていくつか見繕い、プチトマトのパックも買っておいた。ロケ前に見たモデルさんのプロフィールに「トマトが好き」と書いてあったことを思い出して。プチトマトなら、手や衣装、顔も汚さずにつまめる。今どきのアイドルは、好きな食べ物を正直に申告している。昭和の頃のように、好きでもないお菓子や果物で可愛らしく飾り立てたりしなくて済むようになったんだと思う。彼女は台湾ならではのフルーツよりも、プチトマトに目を見開いて喜んでいた。
ロケ仕事は今度いつできるだろう。いつ再開してもいいように、体力を落とさないようにしなければ。
そんなことを考えながらアパートに戻ると、管理人さんが
「おかえり」
と声をかけてくれた。
「ただいま」
私が答えるのを聴きながら管理人さんは所定の位置から立ち上がり、誰かが先に乗っていたエレベーターに向かい
「ちょっと待って」
と止めてくれた。

すでに乗っていた先客に
「すみません」
と謝ると
「全然!市場で買い物?どこへ行ったの」
そう尋ねる男性も、両手に野菜や肉、魚の入った袋を持っている。私も両手がふさがっていたので、管理人さんが私達の降りるそれぞれのフロアのボタンをおしてくれた。
「お料理をするんですね。すごい」
「いやあ。大したことない」
私はりんごとトマト、野菜を少しと、卵しか買っていない。市場で買ったものを比べれば、私のほうが真に大した料理をしないの、一目瞭然。
私が先にエレベーターを降り、
「さよなら」
と声をかけあってドアが閉まる。
ドアが閉まってから気が付いた、その人はマスクをしていなかった。

 

市場へ行き、人にもまれて人と喋ると元気が出る。これは、新型コロナウイルスの感染予防に緊張していた冬からずっと、変わらなかった。
食べること、商売、生きていく力。市場に活気があれば、大丈夫。

 

 

 

 

 

 

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mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|