香港と台湾で違うこと、似てること

「時代革命」東京やカンヌでゲリラ上映だった香港の記録映画、台湾で世界初の正式ロードショー。

香港のドキュメンタリー映画《時代革命》の台湾ロードショー上映を、周冠威(Kiwi Chow)監督が30秒の動画で宣言しました。カンヌや東京の映画祭では諸々の事情で直前に情報解禁、サプライズ上映にするなど気を使われている作品の、世界初堂々全国ロードショー。
封切りは2022年2月25日です。

 

※2022年2月18日 上映館追加。花蓮、宜蘭も決定。

監督は動画の中で、台湾にむけて広東語で語り掛けています。

 

「台湾のオーディエンスのみなさん、こんにちは。《時代革命》監督の周冠威です。
記録映画《時代革命》の台湾正式上映を皆さんにお伝えでき、とても嬉いです。
皆さんに、この自由を大切にしてほしい。
この映画は、香港で上映することが出来ません。
台湾で、皆さんにお会いできますように。
台湾の時代革命Facobookページ「 時代革命 台灣專頁 」をチェックしてください。
ありがとうございます。」

「希望大家珍惜這份自由,這部電影不能夠在香港上映,所以希望可以在台灣見到大家。」——導演 周冠威

ドキュメント映画《時代革命》 2019年、香港で《逃犯條例修訂草案》反対運動を背景に、かつてきらびやかだった香港が一夜にして独裁と戦う戦場と化した。映画は7組の異なるデモ参加者、殴られた記者とボランティア、子供を守る老人と「送迎車」の運転手、封鎖線外の救護員、汽油彈を投げた武闘派の大学生、そして遺書を残した中学生の視点で、香港の人々が彼らのあるべき事由と民主を守ろうとする過程を記録している。

引用元: 《時代革命》全球僅台灣正式上映 導演周冠威:希望珍惜這份自由

私は2019年、毎日のように明け方まで今はない蘋果日報や立場新聞の記者が走り回る「実況」の動画を見ていました。彼らの声や息遣いを、今でも覚えています。
これが香港?これが、香港人なのか?
あの様子を映画にまとめられてもう一度見直すのはしんどい。つらい。もういやだ。
あの当時、あんな状況の中でもユーモラスな切り返しや抵抗をして笑いを起こす香港の人たちの賢さとたくましさに、私は希望をつないでいました。
デモ隊に向けて投げられた催涙弾をテニスラケットで華麗に打ち返したり、夕食時にサンダル履きで駆け付けた市民が転がった催涙弾に煮魚のお皿をかぶせたり、もうなんともいえない香港人の瞬発力の面白さに別の意味で涙流し、どれだけ笑い転げたことか。
でも、あの頃香港に仕事や私用で出かけると、地下鉄を出たところや坂道の下で催涙弾の残り香に朦朧としたことも体感で残っています。
だから
「時代革命」
という作品を目の前に置かれても、「観るかどうかは、少し考えさせて」というのが、私の最初の正直な感想でした。

香港で催涙弾を浴びた女の子の腕に残って消えない痣を台北で見て、安全な場所にいる私たちはただ黙って泣くしかなかった。無茶はしないでくれ、もう無理はしないでくれと懇願するしかない。12年前に香港から台湾へ移って来た私は、この街でこの映画を観なければならないのだと思います。香港で暮らした最後の数年、傍若無人な人たちの圧に踏みつけられるようになったのが耐えられなくて、私はここへ逃げてきた。静けさ、安心、穏やかに暮らす自由を、特別にお金持ちでもない私は、生きる場所を変えることでしか、取り戻せなかった。根本的に話が通じない数の力の前では、主張するのも空しいことでした。

身の安全のため、香港から出ることを勧められている監督。
身の安全のため、映画に名前がクレジットされないスタッフ。
昨年、台湾では台北金馬獎で特別上映されましたが、追加分も含めチケットはまさに瞬殺でした。
そのうちロードショーがかかるだろうとは思っていたけれど、世界で最初に全国ロードショーとは。台湾にある映画を観る自由を、思いっきり堪能しようと思います。画面から立ち上る匂いや音、声を、余すことなく浴びてこようと思います。

「時代革命」台湾での上映館情報(22年1月30日更新)

2022年2月25日から全国ロードショー

上映館情報は1月12日現在未定ですが、「光點華山電影館」は上映確定と公式Facebookでコメントしています。
台湾では上映開始数日前にならないとどこの映画館で何時からと場所もスケジュールもわからないので、2月後半になったら再チェックしましょう。→2月22日に発表される予定。

2022年2月18日追記:宜蘭、花蓮の上映も決定、他にも上映館追加
2022年1月30日追記:台湾での上映館情報

台北|信義威秀影城、喜樂時代影城南港店、光點華山電影館、真善美劇院、欣欣秀泰影城、西門in89豪華影城、百老匯影城、京站威秀影城、美麗華大直影城
新北|板橋秀泰影城、板橋威秀影城、中和環球威秀影城、喜樂時代影城永和店、林口威秀影城
桃園|桃園統領威秀影城、喜樂時代影城桃園A19店、SBC星橋國際影城、桃園in89統領影城
新竹|新竹巨城威秀影城
苗栗|頭份尚順威秀影城
台中|台中TIGER CITY威秀影城、台中文心秀泰影城、台中豐原in89豪華影城
嘉義|嘉義in89豪華影城
台南|台南真善美劇院、台南南紡威秀影城、台南Focus威秀影城
高雄|高雄大遠百威秀影城、高雄駁二in89豪華影城、台鋁秀泰影城、高雄電影館(3/1上映)
屏東|中影屏東影城
宜蘭|宜蘭新月豪華影城
花蓮|花蓮新天堂威秀影城
外島|澎湖in89豪華影城、金門金獅影城

 

「時代革命」 予告編

映画を観る自由があるすべての人に見てほしい「時代革命」

金曜の夜、ほぼ満員の映画館がこれほど濃密に沈黙する2時間半は、初めてのことでした。
2月25日現在世界で唯一ロードショウをしている台湾にいる人には、観てほしい。
台湾にいる意味がうっすらとわかるかもしれないし、うーん?とぴんとこないかもしれない。なんの感想もなくても構わないから、この映画を観ることができる場所で、映画を選ぶ自由がある人に、「時代革命」を観てほしいです。

2022年6月1日「時代革命」世界に向け オンデマンド配信開始

VIMOEで配信開始。bit.ly/3wWxkxm

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mimi
台北在住のライター/コーディネーター。 長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|