台湾あるある

「謝謝」台湾や香港のひとたちへの「ありがとう」はわざわざ翻訳コピペしなくてよし。気持ちが曇りなく伝わりますように

台湾や香港のひとにありがとう。Google翻訳で最初に出てくる谢谢をコピペしたら微妙な反応なのはなぜ

 

台湾や香港の人に向かって日本人が「谢谢」と簡体字で発信しているのを見ると、ひやっとします。「中国語で言おう」とわざわざ翻訳ソフト使って相手の言葉で伝えているのに、反応が素っ気なかったりするともう、いたたまれない。何か言い間違いしたかな?と気に病まないでほしくて、ちょっと書いておくことにします。

台湾や香港で使われるのは簡体字の「谢谢」ではなく繁体字の「謝謝」

私の普段の生活範囲で、台湾や香港のひとにむけて谢谢と簡体字で書く人はまずいません。「中国語でけへん」「広東語必要なし」と、英語や日本語で現地生活を満喫している友人たちも、台湾や香港では繁体字を使うこと、簡体字は中国やシンガポール、マレーシアでと使い分けを心得ていました。

そこに最近降ってわいたタイがらみの簡体字。
タイの芸能人が台湾や香港でのライブやファンミーティングを開催するとき、現地のファンがお金とアイデアを出し合って応援広告を繁華街に出したり、現地情報や地元ならではの注意事項などをSNSで発信します。
そんな台湾や香港の人たちに対して、日本のファンから

「谢谢」

と簡体字でお礼をする投稿を、これまでに何度も目にしてきました。

怒ってなどいない!ただ波風をたてないよう、素っ気なくなる

日本人から簡体字で「谢谢」と言われた台湾や香港の人たちの反応は、ちょっと素っ気ないような気がします。
私の考えすぎかもしれないけれど、ありがとうと言ったつもりの日本人にしてみたら
(あれ?ちょっと冷たい?何か気に障るようなこと言ったかな)
と気になってしまうこと、あるかもしれません。
理由が分かったとしても、意味が通じるならいいんじゃないの?と戸惑うかもしれない。

私も台湾や香港のことで日本人や欧米の人から「谢谢」と書かれると、苦笑いして(あー、うん。はいはいありがとねー)と受け流します。
相手は好意で、こう考えたはずです。
台湾だから、中国語でお礼をしよう。
Google翻訳で「ありがとう」を「中国語」に変換すると、まず簡体字、その次に繁体字が表示されます。一番上に表示されるものがポピュラーで正しいだろう。それをコピーして貼り付け、投稿するのも仕方のないことでしょう。
手間暇をかけてわざわざ中国語でお礼を言ってくれた人に対して、
「あ、それ違いますから。台湾では簡体字じゃないです、繁体字なんですよね。でも気持ちはありがとう」
なんて言わないです。言えないわよ。前半部分を飲み込んで「気持ちはありがとう」と波風立てない反応以外に何ができる?
それで、ちょっとそっけなく見えてしまうかもしれないです。

ありがとうにわざわざ翻訳コピペ不要。感謝の謝を二個でOK

簡体字だの繁体字だの、外側の人は区別を知らなくても問題ないし、タイのエンターテイメントファンなら、簡体字に触れる機会のほうが多いかもしれません。
タイの俳優は中国ルーツの人が結構いて、SNSでは中国名を簡体字で表記することも。芸能人が中国の大きな市場に向けて自分の存在をアピールするなら、現地で使われる簡体字での表記は至極当然なこと、それを日本のファンが覚えるのも自然な流れ。バンコクは空港から交通機関にも簡体字の案内標識が多いし、タイのエンターテイメントや旅行から中国語に触れた日本人にとって、中国語=簡体字でも何も不思議なことはないと思います。

数年ぶりのバンコクで、中国語表記の多さに驚いた。

 

繁体字文化の人たちが、外国人からのメッセージが簡体字で書かれたといって怒ったり、不愉快だと明言するレベルに到達したりはしないかもしれない。翻訳ソフトがそう表示したなら、翻訳しなければならなかった人が知らなくたって仕方ないです。
でも、通じればいいじゃない?同じ中国語でしょう?と外側の人が誤解したままでいようとするのは、解いていきたい。
私などが言うのもおこがましいけれど、区別がついていないのか、一緒くたなのかと、それはやっぱり、ちょっと寂しいです。ことと次第によっては、厳重に抗議されることもあります。違うんですよと。

もし次に台湾とか香港の人にありがとうって伝えたい機会があったら、翻訳から選ぶとき「繁体字だったな」と思い出してもらえたらと思って、このコラムを書きました。いちいち翻訳しなくても、日本語入力で感謝の「謝」を二個つなげればOKよ。何なら「感謝」も台湾語にある。

 

せっかくの「ありがとう」の気持ち、相手に届く前に曇ってしまわないよう、生100%で伝わりますように。

 

タイがらみのコラムもあれこれ書いていた。

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mimi
ライター/コーディネーター。 香港から猫を連れて台北へ移住後、30年ぶりに東京暮らし。満喫中。 台湾と香港に関する現地情報の執筆や、撮影手配などの仕事をしています。 |Instagram| |Tweitter| |Profile| |Contact|