香港のカフェ・レストラン

香港の茶餐廳 奶茶杯(ミルクティカップ)をお土産にする理由。

やっぱり香港・茶餐廳の奶茶(ミルクティ)が好き

 

人生で飲んだ香港の「奶茶」ミルクティは一体何杯になるだろう…。数えたことはないのでわかりませんが、今でも、香港に着いたらまず茶餐廳に入って、予定や計画の確認、練り直す癖は変わりません。

朝のちょっとぼんやりした時間、歩き回ってちょっと休憩、仕事が終わった深夜のクールダウンに。広東語のざわめきや、茶餐廳で働く人のちょっとくたびれた白いユニフォーム、カフェにはない、茶餐廳独特のある種の気だるさ。

茶餐廳で飲む奶茶や凍檸茶(アイスレモンティ)のカップやグラスが手元にあると、「香港にいるな」と実感できて、嬉しさに高揚する気持ちと街の空気に馴染ませてくれる、不思議な作用があります。

ミルクティ、レモンティ、コーヒー紅茶は香港文化

 

熱奶茶と菠蘿油。「パイナップルパンのバターサンド」は香港式メロンパンにバターを挟んだもの。ミルクティとの組み合わせは美味しさもカロリーも最強&最凶。

 

私はいつも、ホットのミルクティ(熱奶茶)はお砂糖なしで飲みます。
アイスミルクティ(凍奶茶)にするなら「甘さ控えめ(少甜)」で。

暑い日にはレモンたっぷりのアイスレモンティー(凍檸茶)、これはお砂糖標準のほうが、酸味と紅茶の渋みが引き立って美味しいかな。

油麻地の波記で。Liptonのグラスが可愛くて好きです。柄の長いスプーンでレモンをがしがしつぶして飲むのが香港流。お行儀悪いけどそれが良いの

 

コーヒー紅茶(鴛鴦)はいつもホットで。苦くて濃いけど、お砂糖多めにすると飲みやすいと教えてくれたのは、見ず知らずのおじさんでした。

佐敦の澳洲牛奶公司オーストラリアミルクカンパニーで。ここのミルクティが世界一好きです。その日によって飲み物のカップが変わるので、それも楽しみ。

 

初めて「鴛鴦」を飲んだ時、砂糖をいれずに口を付けて「うえ」となった私の様子を、近くの席で新聞を手にじっと見ていたおじさんが

「砂糖を入れるんだ」

と静かに教えてくれました。
そうですかと銀の砂糖壺からスプーン一杯すくってカップに落とすと、おじさんは無言で首を振り

「3杯は入れるんだ」
「多すぎませんか」
「そのほうが美味しい」

本当はそんな飲み方したくないけど、眼光鋭いおじさんにじっと見られているから仕方ない。砂糖を足してスプーンで混ぜて飲んでみると、甘さが苦味をまろやかにして、大人の味。そのほうが美味しい。おじさんはいつだって(大抵の場合)正しい。

おじさんは私の表情が変わったことを見届けると、ちょっと満足そうに、でも無言で、読んでいた新聞に目を戻しました。
香港のおじさんたちの、こういうすっと入ってきてどこかへ行ってしまう、とぼけたクールさがとても好き。

有名な美都。典型的な、プラスチックカップで凍奶茶(アイスミルクティ)。もちろん甘さは少甜で。

 

香港の茶餐廳では、お店の人やお客さん、名前も知らないおじさんたちに、いろんな作法を教えてもらいました。

「ミルクティ好きか」

毎日のように通っていた、今はもうない茶餐廳でお店の人に聞かれました。

はい、大好き。答える私におじさんは

「香港のミルクティは、俺らの、香港の文化なんだ」

と笑いながら胸をはって言いました。

香港島・湾仔の路地裏で、ロケの合間に飛び込んだ店のランチ。すんごい美味しかった。ご飯にもミルクティを合わせるのは、パワーチャージ(と言い訳)

 

おうちで香港気分になる茶餐廳カップを尾の「黑地」で

 

台北の茶餐廳で。このグラスは香港で見たことが無かったので、新鮮でした。

 

香港に住んでいた頃は身近すぎて、あえて買うことはなかった「黑白淡奶」のカップを、台湾に移住してから買いました。
台北の香港人シェフがいる茶餐廳のレジの前に新品が積んであったので「売りものですか」と尋ね、ひとつ購入。

「黑白淡奶」は、香港の奶茶づくりに欠かせないもの。香港の茶餐廳はもちろん、台北にも増えている茶餐廳にも、缶がずらりとディスプレイされています。

黑白淡奶の缶がずらっと並んでいると安心する。スーパーでも買えるので、自宅で香港テイストを楽しむためのお土産にも。

 

尾の雑貨店「黑地」では、白地にラインの入った茶餐廳カップを見つけました。

若いご夫婦がふたりで経営している「黑地」は、香港の昔ながらの食器や雑貨類を中心にしたセレクトショップ。

上海街などでも食器や雑貨探しはできるけど、素敵なものをセレクトして可愛く並べられているから「黑地」はおすすめです。

ガラスのレンゲをまとめ買いしました。デザートやヨーグルトを食べるときに。

 

「どうして<黑地>というの?」

不思議に思ってオーナーの阿鵬に尋ねると、

「店の前にあるバスケットボールのコート、以前は真っ黒で、地元の僕たちは<黑地>と呼んでいたんだ」

今は綺麗な緑色に整備されているけれど、石硤尾の昔の名残を店名にしたのだそうです。


黑地 Shop Data

住所:香港九龍石硤尾偉智街38號福田大廈地舖19-20
電話:+852 9806 1476
営業時間:12:00~19:30 無休
アクセス:MTR「石硤尾」駅 C出口から徒歩5分
公式サイト:Facebook

「奶茶は香港の文化」胸を張った茶餐廳のおじさんの思いを忘れない

オーストラリアミルクカンパニーの朝食セット。スープマカロニに、友人たちは興味津々でした。香港一美味しい、つまり世界一のミルクティを堪能してもらいました。

 

このコラムに掲載した画像の店も、いくつかは閉じてしまいました。

「奶茶は香港の文化なんだ」
と教えてくれたおじさんの店も、何年も前に閉店。

「なんでこんなうるさいところで宿題してるんだ」
といぶかし気に尋ねてきたおじさんの店も、
「もうだめだよ、家賃が上がって追いつかない」
と言って、しばらくすると閉店してしまった。

これも典型的な朝食セット。ザーサイを乗せたスープビーフンと、ランチョンミート&オムレツにバターつきのパン。この店も、2018年にクローズ。

 

好きなお店、通い詰めて、作法がなってないと説教されながら仲良くしてくれたおじさんたちのお店はほとんど、閉まってしまいました。寂しくて仕方ない。

油麻地の「波記」は健在。奶茶とマーラーカオで軽めの朝食に。

 

あちこちに店舗のあるチェーンの源記も健在。朝食の時間帯、尖沙咀の店では日本人観光客もちらほら。一生懸命オーダーしている様子を「頑張って!」と密かに応援しながら見守ってます。

 

「黑地」のように、若い世代が「香港の昔ながらのモノやコトを残していく」ことを目的にしたお店を新しく作り出してくれるのは嬉しいし、応援したいです。

「香港の、俺らの文化なんだ」と胸を張ったおじさんの笑顔を、ずっと忘れないためにも。

午前0時過ぎの奶茶。おはようからおやすみまで、奶茶が香港にいるときの私を支えてくれています。

 

茶餐廳、香港カフェコラム

 

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mimi
ライター/コーディネーター。長年暮らした香港から、猫を連れて台北へ移住しました。台湾、香港、ベトナムなどで活動をしています。 詳細と連絡先はこちらをご覧ください。