今年の夏がことさらに暑いわけでもないのに、午後が暮れていく頃になると
「あずきをください…」
と心身ともに震えてきます。
かき氷も嫌いではないけれど、私は胃腸にダメージを受けやすいため、快楽の後に来る苦しみを思うとためらってしまう。
だから冷たすぎないひんやり豆花に、あずきをトッピング。
台北の夏の午後、穏やかで甘い時間です。
松山區にある民生社區は、おしゃれショップやカフェが並木道に点在する「富錦街」が有名ですね。
このあたりは落ち着いた住宅街。少し足を延ばした新東街あたりには昔ながらの食堂や屋台風のお店が並び、低層アパートの間を縫うように緑の濃い路地をきまぐれに散歩するのがとても楽しいエリア。
「縁心豆花」は、いつも人がいっぱいです。店内利用の人、持ち帰りで立ち寄る人がひっきりなしに訪れていました。
豆花は温かい「熱」と冷たい「冷」から選べます。カウンターに並ぶトッピングを見ながら好きなものを3種類選べる「綜合豆花」は55元(約198円)。
豆花、シロップ、ねっとりした蜜氷のベースに、あずき、はとむぎ、大豆を選びました。定番の緑豆や仙草、アーモンドゼリーやタピオカもあるし、白とピンクの湯圓を乗せればカラフルになりそう。
トッピングを盛りつけたら最後に再びシロップを回しかけて完成。「甘さが足りなかったら、注ぎ足してね」とお兄さんが教えてくれました。
蜜氷は溶けにくいから、味が薄まることもなく、冷たすぎなくほどよいひんやり感を保ってくれます。そう、「冷たいけれど、冷たすぎない豆花」は夏にとても大切なことだと思いました。
シロップやあずきに溶けるように、優しく砕けていく癖のない豆花。20年近く、昔ながらの手法で手作りにこだわっているのだそう。
あずきや大豆も甘すぎず、豆花の優しさを凌駕しない。後味はべたつかないから、あれ、食べたっけ?ととぼけてしまいそうだけど
「あずきをください…」
と念じた時の震えは消えているのが、豆花とあずきの優しい甘さになだめられた証拠です。
「縁心豆花」は、かき氷や三色プリンも名物みたい。会計時に次回使える割引券をもらったので、今度はプリンにしてみようかな。冬には温かい紅豆湯、台湾のおしるこもメニューに登場します。ジンジャーシロップがけの薑汁豆花も、体が温まって美味しそう。
この日は天気がいいので外の席で食べていたら、お店のお兄さんがテイクアウト用のカップを3つ重ねて通りを渡り、向かいの食堂へ入っていきました。ご近所からも注文が来るのね。良い感じだ。と思って眺めていたら、食堂から出てきたお兄さんは、別の紙カップにカットした黄色い西瓜を山盛り持たされて戻ってきました。ご近所づきあいが垣間見えるのも、人が暮らす穏やかさがあってますます良い感じ。
※外席はクーラーの室外機真横でものすごく暑いので、夏場は涼しい店内での利用をおすすめします。
新東街は、横道にそれるとまた「お」と立ち止まる空間がいくつもあります。時々でかけて「お」となり、「あずきをください…」となだれ込む。こういう場所があれば、台北の夏の散歩も安心ね。
冬に食べた時のはなし。
緣心豆花 店舗情報とアクセスMAP
定休日:無休
公式サイト:https://www.facebook.com/yuanxin2002/
アクセス:MRT「南京三民」から徒歩13分
夏場に歩くとしんどいので、徒歩3分ほどのバス停「新東街口」利用も便利です。台北駅や民権西路駅などから、「63」や「262」などの路線をチェックしてみましょう。
※店舗情報は訪問、掲載時のものです。お出かけ前に公式サイト等で営業状況を確認してください。
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